薄ぐもりでスッキリ晴れ間がないものの雨の心配はないので、午前中2時間弱ですが、蜻蛉散歩してきました。


で、こんなのがいました。
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ウスバキトンボ ♂ 成熟

上沼の南側、耕しはしたけど水がはいらない田んぼで、ふらふらと飛ぶ黄色いトンボがいました。
しばらく様子をおっていると、田んぼの雑草にとまりました。

ウスバキトンボの♂です。しかも赤みが強くなっているので、結構羽化から日数がたった成熟個体だと思われます。

ウスバキトンボは、漢字で書くと「薄羽黄蜻蛉」と書きます。字が示す通り薄い羽をもった黄色いトンボなのですが、このトンボには、面白い一生があります。

実は世界的に見て、非常に普遍的で数が一番多い種とされています。東南アジアなどの南方では一年中いるトンボです。しかし「寒さ」に弱く、成虫は15℃以下、幼虫でも4℃以下になると生きていられないとされています。
なので、日本では卵でも幼虫でももちろん成虫でも冬をこすことができずに、死滅してしまうとされているのです。

春から夏にかけて、日本列島が暖かくなるにつれて、南方にいたものが段々北上してきて本州に姿を現すとされています。一方、卵は数日で孵化し、幼虫はおよそ一ヶ月で羽化してし成虫になりしかも卵の産卵数が多いので、環境が整うと「大量発生」するトンボとしても有名です。昔から関東地方では、お盆の頃に大量に姿をみるようになることから「精霊蜻蛉」などと呼ばれていました。

で、このウスバキトンボ・・・・姿を見る時期が年々早くなっている気が致します。実は今年も先々週の「トラストのつどい」の際にらしき姿をみているので、出現が5月中旬ということになります。本日みた個体も、赤みが強く出た成熟個体。温暖化の影響でわたってくる時期が年々早まっているのか?それとも越冬個体が発生するようになったのか?

この10年、黒浜沼のトンボの生息状況も、少しずつ変化している現れがこのトンボの出現時期なのです。