北海道~本州四国九州の平野部から山地にかけての日当たりのよい抽水植物の多い池沼に分布する。zz全長は38~52mm、翅前縁に小さな黒い斑紋があり星が4つあるように見えることから四つ星蜻蛉。
埼玉県の分布域の中心は、台地・丘陵地で秩父市郊外からも記録がある。飛翔力が強く開放水面のひろいビオトープなどをつくると一時的に生息することがあるが、環境嗜好性がつよく定着しないことが多い。
黒浜沼でも2020年5月31日 ホタルの里で♂2頭、翌週6月6日 ♀1頭を目撃。交尾産卵も確認できたが、翌年2021年には確認できなかったので「遇産種」扱いとした。飛翔能力が高いとはいえ、大宮台地以東での確認例はかなり稀。


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2020年5月31日
日差しがでたりひっこんだりするような少し雲がある天気。茶色いトンボが2頭、とまる棒をめぐってなわばり争いをしていた。遠目にはギワラトンボがバトルってるようにみえ、「珍しいことがるなあ」ぐらいにしか思っていなかったが、近づいてみて翅にくっきり四つ星がみえて驚いた。
標高の高めなところでしか確認できないと思い込んでいたので、本当に驚いた。

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翌週 2020年6月6日 9時過ぎ
いつの間にやら♀が表れて♂と交尾。交尾時間はあまり長くなく撮影はうまくできなかった。が、交尾後すぎに♀が産卵行動を行った。典型的な打水産卵。その間、♂は♀の上空を警戒飛行することはほとんどなかった。一通り産卵すると再び交尾して産卵を実施。


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2020年6月6日

♂は飛び回るよりも棒にとまって縄張りをもつことが多く、時々近くに他のトンボが接近するとアラート出撃を繰り返す。戻る際にホバリングすることが多く飛翔撮影は楽。


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2020年6月7日

5月31日~6月7日の約1週間は同じポイントに居ついてくれたが、翌6月14日には確認できなかった。